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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年9月11日

子どもの通塾の夜に親は運動へ行けるか|子育て中の親の運動量の研究

武蔵境駅南口で通塾する子どもを見送り、親は仕事のかばんを持ったまま、迎えまでの時間を思い浮かべます。ヨガなどの運動に寄りたい気持ちはあっても、家に戻れば片づけや洗濯が待っているかもしれません。子どもが外にいる夜なら、親も自分の運動へ出かけられるのでしょうか。親が運動に行くには、子どもの予定が空けた時間に加え、その間の家の用事を引き受ける段取りが要ります。

  • 親は子どものいない人より体の活動が少ない傾向にあり、親になる前後を追った研究でも低下が報告されています。
  • 結婚したことと、子どもが生まれたことでは、運動量との関係が異なっていました。
  • 出産後に戻らなかったという長期の結果は、運動だけでなく食事や睡眠などを含む生活全体の指標です。
  • 家事・育児の分担は着目する価値のある条件ですが、分担を変えたときの運動量の増加は未実証です。

子どもの通塾の夜に親は運動へ行けるか|子育て中の親の運動量の研究

武蔵境駅南口で通塾する子どもを見送り、親は仕事のかばんを持ったまま、迎えまでの時間を思い浮かべます。ヨガなどの運動に寄りたい気持ちはあっても、家に戻れば片づけや洗濯が待っているかもしれません。子どもが外にいる夜なら、親も自分の運動へ出かけられるのでしょうか。親が運動に行くには、子どもの予定が空けた時間に加え、その間の家の用事を引き受ける段取りが要ります。

子育てが始まってから体を動かす機会が減る傾向は、親と親でない人を比べた研究にも、親になる前後を追った研究にも表れています。それを意志の弱さと読み替えると、運動を生活に戻す際の障害を見落とします。かつて自由に使えた夕方に、いまは別の役割が入っているという時間の変化に目を向けたいところです。

ここで扱うのは親の体の活動と暮らしの変化で、ヨガは仕事帰りに通う運動の一つとして登場します。研究の数字が示す集団の傾向と、今夜の家庭で用意できる条件を順に考えます。運動に行けるかという問いには、親自身の希望と、家で続いている役割の両方から答えを探します。

要点

  • 親は子どものいない人より体の活動が少ない傾向にあり、親になる前後を追った研究でも低下が報告されています。
  • 結婚したことと、子どもが生まれたことでは、運動量との関係が異なっていました。
  • 出産後に戻らなかったという長期の結果は、運動だけでなく食事や睡眠などを含む生活全体の指標です。
  • 家事・育児の分担は着目する価値のある条件ですが、分担を変えたときの運動量の増加は未実証です。

親の運動量が少ないという数字をどう読むか

「子育て中でも時間は工夫すればつくれる」と言われると、行けない日は自分の手際の問題に思えてしまいます。しかし、親と親でない人を比べた研究では、個人の予定管理だけでは片づけにくい差が報告されています。Bellows-Riecken ら(2008)は、親であることと体の活動の関係を、既存の研究からまとめました。子どものいる生活で活動の機会が変わるという見方を支える結果です。

Bellows-Riecken ら(2008)が扱ったのは25の独立した集団で、親は子どものいない人より活動が少なく、差を表す効果量は d=0.41〜0.48 でした。効果量とは、測り方の異なる研究の差を共通の尺度に載せた値です。この値は失われた時間数や、減った人の割合を表すものではなく、親と親でない人との集団としての隔たりを示します。自分の運動時間から同じ割合を差し引く読み方はしません。

このまとめでは、活動を妨げる事情、就業や結婚の状態、子どもの人数なども検討の話題になっています。一方、Bellows-Riecken ら(2008)は、母親を対象にした研究が多く、同じ時点で状態を比べる調査と本人の申告に強く依存していると述べています。仕事の条件や運動への関心など、子育て以外の違いも比較に入り得ます。親であることを調べる研究でも、生活の背景まで同一になっているわけではありません。

自分の変化を振り返るときは、子どもが生まれる前と今について、普段の週に体を動かしていた時間を思い出して並べてみます。運動名だけでなく、仕事のあとに歩いていた時間や、休日に動いていた場面も思い出すと、失った機会の中身を捉えやすくなります。昔の自分に追いつくための採点にせず、今の生活から消えたのが外出の機会なのか、まとまった自由時間なのかを区別する作業です。

結婚と出産では、その後の変化が違っていた

親と親でない人に差があっても、もともと活動の少ない人が親になった可能性は残ります。そこで役立つのが、時間をおいて同じ人を追い、暮らしの変化と活動の変化を捉える研究です。Hull ら(2010)は、若い成人638人を2年間追い、質問票で週あたりの身体活動時間と生活上の属性を調べました。結婚と子どもの誕生を、別々の出来事として扱っているのが特徴です。

Hull ら(2010)では、結婚した人の活動量は独身のままだった人と比べて明確には変わらず、効果量は d=0.06 でした。一方、子どもが生まれた人は子どものいない状態を続けた人より活動が少なく、効果量は d=0.41 でした。後者の差は、偶然のばらつきだけでは説明しにくいとする統計上の基準を満たしています。家庭を持つことを一括りにせず、子どもの誕生に伴う変化を扱う理由がここにあります。

親の運動についての見方 出産・子育てとの関係 親を調べた研究の方法
親でも親でなくても運動する条件は同じ 親のほうが体の活動が少ない傾向 Bellows-Riecken ら(2008)、既存研究のまとめ
結婚すれば一律に運動が減る 結婚後の明確な変化はなく、子どもの誕生後には低下 Hull ら(2010)、若い成人の追跡調査
出産後の生活は時間がたてば自然に元通りになる 健康的な生活の総合指標は出産前の水準に戻らなかった Großbach ら(2026)、ドイツの追跡データの分析
父親の家事を増やせば運動が増えると実証済み 家事・育児への関与を健康行動の支援につなげる可能性を提示 Kracht ら(2026)、産後の親のデータを使った追加分析

暮らしに置き換えるなら、結婚の有無だけで忙しさを判断せず、実際に増えた用事を捉えるほうが筋が通ります。送迎、子どもの身の回りの世話、家で待つ必要のある時間などは、それぞれ異なる理由で外出を制限します。子どもが通塾している時間にも、そのすべてが消えるわけではありません。授業のある時間と親が使える時間との間に、どんな用事が挟まっているかが次の論点です。

年月がたつだけで戻るとは限らない生活の指標

子どもが大きくなれば、以前のように運動できるはずだと期待することがあります。その期待を考えるうえで、出産後を長く追った研究は参考になります。Großbach ら(2026)は、ドイツの追跡調査のデータを使い、出産に伴う健康的な生活の変化を調べました。体の活動だけでなく、食事、喫煙、睡眠を含む指標を組み立てて分析しています。

Großbach ら(2026)では、出産後にこの総合指標が下がり、その中で最も大きく減ったのは体の活動でした。指標の低下は男性より女性で大きく、出産後5年以上の観察期間でも出産前の水準には戻りませんでした。ここで長く戻らなかったと報告されたのは、複数の健康行動を合わせた値です。運動だけが同じ幅で減り続けた、あるいはすべての親が同じ経過をたどった、と読み替えると測定した内容から離れます。

総合指標の利点は、運動を暮らしの他の行動と一緒に捉えられることです。その反面、値の変化を親の運動時間だけに置き換えることはできません。たとえば運動に出かけるために他の生活上の用事が後ろへずれる計画なら、外出したという達成だけで予定を評価しない視点が役立ちます。これは研究が示した改善法ではなく、生活全体を扱う指標から考えた予定の点検方法です。

子どもの通塾の時間帯については、その間に家にいる必要のある家族が誰なのかを書き出してみます。通っている子以外の家族にも世話が要るのか、大人が家に残る理由は何なのかを、名前と用事を結びつけて整理します。空白に見える時間に役割が残っていれば、それは使い方の下手な余暇ではなく、すでに別の目的に使っている時間です。時計の上の空き枠よりも、その枠に入っている役割を先に扱うことになります。

家事分担の研究は、誰が何を担うかに目を向ける

家事・育児を分担すれば運動の時間が増える、という考えは自然です。ただし、もっともらしい仕組みと、実際に分担を変えて効果を比べた証拠には違いがあります。Kracht ら(2026)は、産後の親の身体活動を増やす6か月の試験で集めたデータを、別の問いから分析しました。対象となった164人のデータから、父親の家事や育児への関与と親の健康を扱っています。

Kracht ら(2026)では、父親が申告した育児への関与は観察期間を通して中程度でした。家事への関与は産後2か月には高い程度でしたが、他の時点では中程度になっていました。著者らは、父親の家庭内の仕事への貢献に着目し、親の健康行動を支える機会があると結論づけています。同時に、家事の分け方と親の健康をよくするためには、分担に働きかける試験の証拠が要るとしています。

元のデータが試験で得られていても、家事を多く担うよう割り当てた組と、そうしなかった組を比べた分析とは別です。この研究を根拠に、父親の家事を増やせば母親の運動がどれだけ増える、と約束することはできません。それでも、親の健康を個人の努力だけの話にせず、家庭内で続いている仕事と結びつける視点は得られます。家族の時間を動かす案と、その案の効果が実証されたかという話は、それぞれの段階で扱います。

家庭で振り返るなら、運動に行けた週と行けなかった週の違いを、家事の分担に絞って探します。自分のやる気の差より、洗濯を終えた人、片づけを担った人、急な用事を引き受けた人など、作業の担い手に注目します。同じ人が常に家の仕事を引き受け、もう一方の外出だけが成立する形なら、双方が納得しているかも話題になります。ひとりで育児を担う家庭では交代する相手がいない場合もあり、夫婦で分担する案をそのまま課題にするのは適切ではありません。

通塾の夜に外出するための条件をそろえる

題名の問いへの答えは、子どもが通塾していることに加え、残る世話と家の仕事を担える条件があれば、親の運動の外出を予定に入れられる、です。ここまでの研究が扱ったのは身体活動の量や生活の指標であり、ヨガに通う効果を比べたものではありません。通う運動を選ぶ際も、健康によいという一般的な期待だけで、その夜の段取りまで整ったと考えないことが大切です。外出を続けるには、運動をしている時間の外側も生活に収まる必要があります。

授業が始まってから終わるまでを、そのまま運動に使える時間と数えると、移動や着替えを入れる余地がなくなります。迎えが必要な家庭なら、運動を終える時刻だけでなく、実際に迎えの場所に戻れる予定にします。時刻表や交通の案内が必要な場合は、各社や自治体の最新の案内で確かめます。遅れを取り戻すために道を急ぐ前提の予定は避け、途中で切り上げる余地を含めた外出として考えます。

疲れ切っている日に休息を削って運動を詰めたり、痛みを我慢して以前と同じ動きを続けたりする計画は向きません。長く離れていた運動を再開するときは、以前できた量をそのまま初回の課題にせず、今の体調に合う範囲から始める考え方になります。動作を急いでけがをするようでは、時間をつくった目的から外れてしまいます。出かけない日も含めて選択できることが、親の予定を扱う際の条件です。

具体的には、通塾の曜日から1日だけ選び、送り出してから迎えまでの間に親の運動の時間を家族の予定表へ先に書き込みます。その日の夕食の支度を誰が受け持つかも同じ場で話し、担当を記します。運動の欄と食事をつくる人の欄がそろった予定なら、家族はその夜をどう過ごすかを共有できます。親の外出は、家の用事が偶然早く終わったときだけの空き時間から、支度を担う人も含めた予定へ変わります。

よくある質問

休日に子どもと遊ぶ時間も、運動を考える材料になりますか

扱った研究は、運動施設への参加回数だけでなく、体の活動を取り上げています。したがって、休日に子どもと歩いたり遊んだりする場面も、自分の生活を振り返る材料になります。ただし、見守って座っている時間と、一緒に動いている時間では中身が違います。Hull ら(2010)のように活動時間を捉える発想を参考に、外に出たかどうかだけでなく、その間に自分の体がどう動いていたかに目を向けるとよいでしょう。

父親も運動する時間を持ってよいのでしょうか

Bellows-Riecken ら(2008)は、親の活動に関する研究が母親に偏ってきたと述べていますが、親の健康を考える対象が母親だけという意味ではありません。父親自身の運動の希望も、家庭の予定として扱ってよいものです。その際、子どもの世話から離れる時間が片方にだけ認められていないかを話し合うことには意味があります。研究対象の偏りを、そのまま家族の中で誰の健康を優先するかの順番にしない考え方です。

子どもの人数が多いほど運動をあきらめるべきですか

Bellows-Riecken ら(2008)のまとめには子どもの人数という話題も含まれますが、人数だけで外出の可否を決める基準は示されていません。年長のきょうだいがいる場合でも、その子が家事や世話を引き受けることを前提にせず、大人の予定として調整します。子どもそれぞれの必要な世話と、頼れる大人の状況は家庭ごとに異なります。家族の人数は暮らしを記述する情報であり、親が自分の時間を持ってよいかを決める点数ではありません。

この記事の限界

対象は親になった前後や乳幼児を育てる時期が中心で、通塾する年齢の子どもの親が夜に運動へ出かける場面を直接調べた研究は見つかりませんでした。親と親でない人を比べる研究には母親への偏りや本人の申告への依存があり、国内の駅での送迎と運動の組み合わせまで測定した結果ではありません。

ドイツの追跡結果も、運動だけでなく食事・喫煙・睡眠を含む指標の経過で、家庭の予定表を変える工夫の効果を検証したものとは異なります。親になる前後の低下を示す結果はあっても、子どもが成長して世話の手が離れた時期に親の運動量が戻るかという問いは、取り上げた研究の範囲では未解決です。

参考文献

  1. Bellows-Riecken KH, et al. A birth of inactivity? A review of physical activity and parenthood. Prev Med. 2008;46(2):99-110.
  2. Hull EE, et al. Influence of marriage and parenthood on physical activity: a 2-year prospective analysis. J Phys Act Health. 2010;7(5):577-583.
  3. Großbach M, et al. The Effect of Parenthood on Health Lifestyles: A Longitudinal Analysis Using Data from the German Socio-Economic Panel. Int J Environ Res Public Health. 2026;23(7):926.
  4. Kracht CL, et al. The association between paternal housework and childcare with parents’ health in the postpartum period. Midwifery. 2026;157:104777.

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  • 向く人: 授業や練習のあと、駅までの帰り道をできるだけ短くしたい人
  • 向く人: 通勤や通学の途中の駅で、乗り換えを増やさずに通いたい人
  • 向かない人: 駅から離れた場所へ、車の送り迎えで通うことを前提にしたい人
  • 向かない人: 移動をせず、自宅だけで学びや運動を済ませたい人

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休日に子どもと遊ぶ時間も、運動を考える材料になりますか

扱った研究は、運動施設への参加回数だけでなく、体の活動を取り上げています。したがって、休日に子どもと歩いたり遊んだりする場面も、自分の生活を振り返る材料になります。ただし、見守って座っている時間と、一緒に動いている時間では中身が違います。Hull ら(2010)のように活動時間を捉える発想を参考に、外に出たかどうかだけでなく、その間に自分の体がどう動いていたかに目を向けるとよいでしょう。

父親も運動する時間を持ってよいのでしょうか

Bellows-Riecken ら(2008)は、親の活動に関する研究が母親に偏ってきたと述べていますが、親の健康を考える対象が母親だけという意味ではありません。父親自身の運動の希望も、家庭の予定として扱ってよいものです。その際、子どもの世話から離れる時間が片方にだけ認められていないかを話し合うことには意味があります。研究対象の偏りを、そのまま家族の中で誰の健康を優先するかの順番にしない考え方です。

子どもの人数が多いほど運動をあきらめるべきですか

Bellows-Riecken ら(2008)のまとめには子どもの人数という話題も含まれますが、人数だけで外出の可否を決める基準は示されていません。年長のきょうだいがいる場合でも、その子が家事や世話を引き受けることを前提にせず、大人の予定として調整します。子どもそれぞれの必要な世話と、頼れる大人の状況は家庭ごとに異なります。家族の人数は暮らしを記述する情報であり、親が自分の時間を持ってよいかを決める点数ではありません。