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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年9月11日

仕事の重い週は立川駅で降りられない|ストレスと運動の習慣の研究

76.4%という数字は、ストレスが強いと身体活動や運動が減る、または座って過ごす行動が増える方向を示した研究の割合です。Stults-Kolehmainen ら(2014)が、人を先へ追って経過を見る前向き研究55本を検討した結果でした。立川駅北口でヨガの道具を持ち直しても、残した仕事が頭に浮かび、スタジオへ向かう足が止まる夜があります。ストレスは運動を減らすのか、それとも運動をすればストレスが減るのでしょうか。

  • ストレスと、その後の身体活動の減少には関連があり、仕事の負担と裁量も関係します。
  • ストレスが強いと運動が増える研究もあり、集団の傾向と本人の反応を分けて読みます。
  • 運動後の気分や翌週のストレスが良い方向に動く関連はありますが、変化が小さい結果もあります。
  • 前の晩の仕事の見通し、運動したかどうか、帰りの気分を別々に見ると、短い運動を選びやすくなります。

仕事の重い週は立川駅で降りられない|ストレスと運動の習慣の研究

76.4%という数字は、ストレスが強いと身体活動や運動が減る、または座って過ごす行動が増える方向を示した研究の割合です。Stults-Kolehmainen ら(2014)が、人を先へ追って経過を見る前向き研究55本を検討した結果でした。立川駅北口でヨガの道具を持ち直しても、残した仕事が頭に浮かび、スタジオへ向かう足が止まる夜があります。ストレスは運動を減らすのか、それとも運動をすればストレスが減るのでしょうか。

ストレスが運動を妨げる傾向と、運動の後にストレスが低い傾向は両方ありますが、本人に合う動き方は仕事の負担と運動後の反応を見て選びます。 引かれているのは身体活動全般の研究で、ヨガを続けた人の欠席や効果を測った研究とは区別して読む必要があります。北口から先へ足が向かなかった日について、その前にどんな仕事を見込んでいたか、運動できた帰りにはどんな気分だったかを見直すと、休む日の背景を具体的に扱えます。いつもの練習を最後までこなすことが重い週には、短い運動に縮める余地も考えられます。

要点

  • ストレスと、その後の身体活動の減少には関連があり、仕事の負担と裁量も関係します。
  • ストレスが強いと運動が増える研究もあり、集団の傾向と本人の反応を分けて読みます。
  • 運動後の気分や翌週のストレスが良い方向に動く関連はありますが、変化が小さい結果もあります。
  • 前の晩の仕事の見通し、運動したかどうか、帰りの気分を別々に見ると、短い運動を選びやすくなります。

ストレスで休みやすくなるのは、どのような傾向か

「忙しい人ほど運動で気分転換をしている」という話を聞くと、休んだ自分に問題があるように感じることがあります。しかし、運動を続けられた人の話だけでは、同じようにストレスを受けて動けなくなった人の姿が抜け落ちます。まずは、ストレスを受けた後に活動がどう変わったかを見る研究から考えます。

Stults-Kolehmainen ら(2014)は、ストレスと身体活動を扱う168本の研究を探し、そのうち前向き研究55本を詳しく検討しました。ストレスの後に活動や運動が少なくなる、あるいは座って過ごす行動が増える方向を示したのは76.4%でした。ここで数えているのは研究の本数であり、働く人の76.4%が教室を欠席したという意味ではありません。身体活動には日常の動きも含まれ、教室へ行った回数だけを表す数字ではない点にも目を向けます。

同じStults-Kolehmainen ら(2014)の検討では、前向き研究の18.2%は、ストレスによって身体活動が増える方向の結果を報告していました。これは、強い負担があっても動く人がいることと、全体では動きにくくなる傾向があることが両立するという結果です。身近な人が運動で発散しているからといって、そのやり方を自分の基準にする必要はありません。

読者が見直すときは、「休んだか」だけでなく「その日は何に圧迫されていたか」を添えると、次に調整する部分が見えます。仕事が終わる時刻の見通しが立たなかったのか、時間はあっても気持ちが動かなかったのかでは、扱う問題が違います。休んだことを性格の説明に変えず、その日の状況として言葉にするところから始められます。

仕事の量と、自分で進め方を選べる余地を分ける

仕事の重さというと、抱えた件数や締め切りだけに目が向きがちです。ところが、働く人を調べた研究は、要求される仕事の多さに加えて、自分で進め方を選べる裁量にも注目しています。同じ量の仕事でも、順番を変えられるか、終わりを見通せるかを分けて振り返ると、負担の中身を説明しやすくなります。

Fransson ら(2012)は、欧州の14の追跡研究から、働く男女170,162人のデータを合わせて分析しました。このように複数の研究のデータをまとめて分析する方法をメタ分析と呼びます。女性は50%、平均年齢は43.5歳で、このうち56,735人を2〜9年後に再び調べています。研究の入口で運動していた人についても、その後に運動しなくなることと仕事の条件を比べました。

Fransson ら(2012)では、要求が少なく裁量が大きい仕事に比べ、要求が多く裁量が小さい仕事では、追跡中に運動しなくなるオッズ比が1.21、95%信頼区間は1.11〜1.32でした。オッズ比は起こる見込みを比べる指標で、信頼区間は推定の幅を示します。要求も裁量も小さい仕事でも関連が見られたため、「仕事量が多いから」の説明だけでは結果全体を捉えきれません。自分の予定を自分で動かせる余地にも注目する研究です。

Kouvonen ら(2005)がフィンランドの17〜64歳の公的部門で働く46,573人を調べた結果も、仕事のストレスが強いことと余暇の身体活動が少ないことの関連を示しました。年齢や社会経済的な立場、喫煙などを考慮しても関連は残りましたが、著者らはその関連をかなり弱いものと評価しています。同じ時点の状態を比べる横断研究なので、生活の事情などが両方に影響する交絡も考えながら読みます。手帳には仕事の多さだけでなく「順番を変えられる」「終了の見込みが立たない」といった裁量の様子を添えると、負担を分けて捉えられます。

集団の平均が、帰宅する本人の反応とは限らない

仕事が重い日は全員が運動を休むと考えると、運動したい気分になった日まで説明しにくくなります。反対に、運動をすれば全員が楽になると考えると、帰りに気分が変わらなかった日を失敗と感じやすくなります。Burg ら(2017)は、集団だけでなく人ごとの違いにも目を向け、ストレスと運動の関係を観察しました。

Burg ら(2017)の69人の分析では、運動とストレスの低下が関連したのは15人、上昇が関連したのは2人で、残りは変化がありませんでした。また、前の晩や当日の朝に予想したストレスが増えることは、その日に運動する見込みの低下と関連していました。人ごとの分析では、この関係が運動の減少として現れたのは17人、増加として現れたのは1人で、残りには影響がありませんでした。運動の後の変化と、運動する前の負担の予想は、別の方向から見た結果です。

こうした違いを踏まえると、よく耳にする説明は、どの対象をどの方法で調べたかと並べると読みやすくなります。研究が示した関連と、日常で使う助言の間には、本人の仕事や体調を照らす作業が入ります。代表的な結果を、話が広がりすぎない形で並べると次のようになります。

ストレスと運動への見方 活動量・気分に関する結果 働く人などの調査方法
ストレスが強い日は運動できない 活動が減る方向が多いが、増える方向もある 人を対象とした前向き研究の検討、Stults-Kolehmainen ら(2014)
仕事量が少なければ続けやすい 仕事の要求に加え、裁量の小ささも関連する 欧州の働く男女のデータを統合、Fransson ら(2012)
運動すると気持ちが楽になる 下がる人、上がる人、変わらない人がいた 人ごとの関係を調べた観察、Burg ら(2017)
動いた翌週はストレスが減る 運動時間の増加と、翌週の小さな低下が関連した 過体重・肥満の成人を追った観察、Brockmann ら(2020)

運動した後の気分と、翌週の変化は時間を分けて読む

「帰りには少し気が晴れた」という感覚と、「仕事の重い週を乗り切りやすくなった」という評価は、同じ時間の変化ではありません。その場の気分と、先の週までのストレスを混ぜると、良かった日だけを思い出しやすくなります。研究でも、数時間後を見るものと週ごとを見るものでは、測り方が異なっています。

Schultchen ら(2019)は、大学生51人に7日間、スマートフォンで日に6回問いかけ、日常のストレスや気分、身体活動を調べました。ストレスや否定的な気分が強いことは、その後の身体活動が少ないことと関連していました。一方、身体活動が多いことは、その後の数時間のストレスや否定的な気分が少なく、肯定的な気分が多いことと関連しました。活動を妨げる側と、活動後に気分が変わる側の両方を見ている研究です。

Brockmann ら(2020)は、過体重・肥満の成人74人について、インターネットを用いた12週の減量プログラムの期間とその後を含む通年で、毎週のストレスと身体活動時間を尋ねました。ある週の身体活動が1時間増えることは、翌週のストレス評価の小さな低下と関連していました。これは「仕事の後に長く運動するほど大きく楽になる」という結果とは違い、変化の小ささも含めて読む必要があります。

日常で試すなら、運動した帰りの電車で、その時の気分を「軽い」「変わらない」「いら立つ」のように自分の言葉で書きます。電車に乗る前の仕事の出来事も添えると、運動の印象と仕事が終わった安堵を混同しにくくなります。気分が軽くなった日に、運動する前はどの程度の負担を感じていたかを見返すと、動き始める難しさと動いた後の感覚を分けて考えられます。

休んだ日の前の晩に、何を予想していたか

仕事の重い週に欠席した事実だけを後から並べると、どの日も「忙しかった」で終わりがちです。そこで、翌日の仕事の見通しを前の晩に「軽い・中くらい・重い」の段階で手帳に置いてみます。運動した日と休んだ日の横にその言葉があれば、実際の結果に引っ張られる前の見通しが残ります。書き忘れた日は空欄にし、思い出して埋める作業を負担にしないようにします。

Burg ら(2017)が扱った予想されるストレスという視点は、この振り返り方を考える助けになります。たとえば、仕事が多いと予想していたのに実際は早く片づいた日と、量は多くなくても進め方を選べなかった日を区別します。運動する気持ちが萎えた時点が、仕事を始める前なのか、終えた後なのかも合わせて見ると、自分の反応を細かく言葉にできます。

ただし、運動に行けた日を良い日、休んだ日を悪い日と採点すると、手帳そのものが新たな義務になります。短い運動に変えた日にも、満足して帰れたか、さらに疲れを抱えたかという違いがあります。負担が強い人に、いつも通りの練習を最後まで続けることや、休んだ分を取り戻すために急に強く動くことは勧めません。痛みや不調を押して動かず、体調が悪い日は休む選択も含めて扱います。

気分の落ち込みが続く、以前楽しめたことが楽しめないなど、うつ状態が疑われる場合は医療機関に相談します。仕事の負担については、職場の相談窓口で業務の進め方や分担を話すことも考えられます。運動後の気分だけを頼りに働き方の問題を抱え込まず、運動の調整と仕事の調整をそれぞれ検討することが大切です。

重い週の運動は、時間と場所まで短くする

いつもの練習を終える余裕がない日には、運動の内容を小さくして考える方法があります。候補として、利用できるならスタジオの短いクラス、あるいは駅から安全な道をひと区画歩くことを挙げられます。ここで比べたいのは、着替えや移動も含めて、その日の負担の中に収まるかどうかです。短くするつもりでも準備に追われるなら、何を省くと始めやすいかを具体的に見ます。

先に挙げた研究から、短い版に変えると欠席が減るという効果までは言えません。短い運動は、忙しい週の過ごし方を本人が試すための案です。候補を並べる際には、「短いクラスは開始に間に合うか」「歩くなら靴や荷物に無理がないか」と、実行する場面に沿って比べます。帰宅を急ぐ日に歩く距離を伸ばすなど、元の負担を大きくする選択は外します。

試した後は、気分が変わったかに加えて、始めるまでがどれだけ面倒だったかを振り返ります。気分が良くても準備が重く感じられる場合は、忙しい週に繰り返す形としては調整が必要です。逆に、気分の変化は目立たなくても、無理なく動いて帰れたという感覚は残せます。気分を変えることだけを合格条件にせず、その日の生活に収まったかを確かめます。

手帳の週の欄の端には、選んだ短い運動の場所と、始める時刻・終える時刻を書き入れます。歩く案なら出発点と引き返す目印を、短いクラスなら実際の終了時刻まで確かめると、帰宅までの見通しが具体的になります。時間欄を埋める際は運動そのものに加えて着替えや移動も含め、仕事の重い日の予定にそのまま収まる長さを確かめます。

よくある質問

仕事が忙しい日に休むのは、意志が弱いからですか

ストレスの後に身体活動が減る傾向を示した研究があり、欠席だけで本人の意志を評価するのは適切ではありません。仕事の量と、進め方を自分で選べる余地を分け、休む前にどんな負担を見込んでいたかを見直します。いつもの練習が長すぎると感じた日と、短い運動も負担だった日を区別すると、自分に合う調整を考えやすくなります。

ヨガに行けば、その日のストレスは減りますか

ここで取り上げた研究は身体活動全般を扱い、ヨガの効果を直接調べたものではありません。Burg ら(2017)の観察でも、運動とストレス低下が結びつく人のほかに、変化がない人や上昇と結びつく人がいました。行った帰りの気分を本人の言葉で残し、楽になることを毎回の義務にせず、その日の仕事や体調と合わせて見ていきます。

運動した後も気が晴れない日は、もっと長く動くべきですか

気分が変わらないことを理由に運動を長くする必要はありません。今回の研究には変化が小さい結果や人ごとの差があるため、まずは疲れや不調が加わっていないか、準備を含めた負担が重くなかったかを振り返ります。落ち込みや楽しめない状態が続く場合は、運動時間を増やすことで解決しようとせず、医療機関で相談することが大切です。

この記事の限界

測定されたのは、質問への回答によるストレスや身体活動、日常の気分などで、教室へ向かう途中に足が止まる理由を直接聞き取ったものではありません。仕事の条件を長く追う分析と、その後の数時間の気分を追う分析では、捉えている変化の時間幅も異なり、休んだ日の原因を同じ尺度で説明することには限りがあります。

手帳に残す仕事の見通しと帰りの気分にも、その日の出来事や思い出し方が混ざるため、運動だけの影響を切り分けるには慎重さが必要です。研究は欧州の働く人や大学生、過体重・肥満の成人などを対象にしており、立川へ通う人の移動や、ヨガの教室に通う人の欠席を数えた結果とは区別して読む必要があります。

参考文献

  1. Stults-Kolehmainen ほか. The effects of stress on physical activity and exercise. Sports Med. 2014;44(1):81-121.
  2. Fransson ほか. Job strain as a risk factor for leisure-time physical inactivity: an individual-participant meta-analysis of up to 170,000 men and women: the IPD-Work Consortium. Am J Epidemiol. 2012;176(12):1078-1089.
  3. Kouvonen ほか. Job strain and leisure-time physical activity in female and male public sector employees. Prev Med. 2005;41(2):532-539.
  4. Burg ほか. Does Stress Result in You Exercising Less? Or Does Exercising Result in You Being Less Stressed? Or Is It Both? Testing the Bi-directional Stress-Exercise Association at the Group and Person (N of 1) Level. Ann Behav Med. 2017;51(6):799-809.
  5. Schultchen ほか. Bidirectional relationship of stress and affect with physical activity and healthy eating. Br J Health Psychol. 2019;24(2):315-333.
  6. Brockmann ほか. Bidirectional association between stress and physical activity in adults with overweight and obesity. J Behav Med. 2020;43(2):246-253.

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  • 向く人: 授業や練習のあと、駅までの帰り道をできるだけ短くしたい人
  • 向く人: 通勤や通学の途中の駅で、乗り換えを増やさずに通いたい人
  • 向かない人: 駅から離れた場所へ、車の送り迎えで通うことを前提にしたい人
  • 向かない人: 移動をせず、自宅だけで学びや運動を済ませたい人

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仕事が忙しい日に休むのは、意志が弱いからですか

ストレスの後に身体活動が減る傾向を示した研究があり、欠席だけで本人の意志を評価するのは適切ではありません。仕事の量と、進め方を自分で選べる余地を分け、休む前にどんな負担を見込んでいたかを見直します。いつもの練習が長すぎると感じた日と、短い運動も負担だった日を区別すると、自分に合う調整を考えやすくなります。

ヨガに行けば、その日のストレスは減りますか

ここで取り上げた研究は身体活動全般を扱い、ヨガの効果を直接調べたものではありません。Burg ら(2017)の観察でも、運動とストレス低下が結びつく人のほかに、変化がない人や上昇と結びつく人がいました。行った帰りの気分を本人の言葉で残し、楽になることを毎回の義務にせず、その日の仕事や体調と合わせて見ていきます。

運動した後も気が晴れない日は、もっと長く動くべきですか

気分が変わらないことを理由に運動を長くする必要はありません。今回の研究には変化が小さい結果や人ごとの差があるため、まずは疲れや不調が加わっていないか、準備を含めた負担が重くなかったかを振り返ります。落ち込みや楽しめない状態が続く場合は、運動時間を増やすことで解決しようとせず、医療機関で相談することが大切です。