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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年9月11日

日が短くなると夜の運動をやめるか|季節と身体活動の研究

中年層の軽い活動と中高強度の活動は、冬と比べて夏にそれぞれ1日18.1分、14.8分多くなっていました。これは、オランダの住民を調べたCepeda ら(2018)の結果です。住宅街の路地が帰宅時には暗くなり、運動着の入ったかばんを持ったまま家へ直行したくなる季節には、気になる数字でしょう。日が暮れるのが早くなると、夕方以降に動く量はどれくらい減るのでしょうか。

  • オランダの研究では中年層と前期高齢層に活動の季節差があり、年齢によって現れ方が異なりました。
  • 季節と天候の総説では、悪天候や極端な天候が活動への参加を妨げる要因に挙げられています。
  • 米国の夏時間の切り替えでは、朝夕の歩数が逆向きに変わっても、日全体の総歩数には差が出ませんでした。
  • 英国の研究では軽い活動に季節差があり、中高強度の活動には差が検出されませんでした。
  • 屋内で運動する機会を設けることは総説の提案であり、特定の運動による冬の活動減少の予防効果を示した試験ではありません。

日が短くなると夜の運動をやめるか|季節と身体活動の研究

中年層の軽い活動と中高強度の活動は、冬と比べて夏にそれぞれ1日18.1分、14.8分多くなっていました。これは、オランダの住民を調べたCepeda ら(2018)の結果です。住宅街の路地が帰宅時には暗くなり、運動着の入ったかばんを持ったまま家へ直行したくなる季節には、気になる数字でしょう。日が暮れるのが早くなると、夕方以降に動く量はどれくらい減るのでしょうか。

日が短くなると夜の運動をやめるか|季節と身体活動の研究

仕事を終える時刻が同じでも、路地に入ったときの明るさは季節で変わります。出かける気持ちに関わりそうなものとしては、暗さのほかに、上着が必要な寒さや雨にぬれる道も思い浮かびます。ただし、先の数字は季節全体の身体活動、つまり生活の中で体を動かす活動を表し、夜の運動をやめた時間を数えたものではありません。冬に活動が減る傾向はありますが、日が短くなると夜の運動をやめるとまでは研究から言えず、夕方の減少が朝の増加と重なる結果もあります。

要点

  • オランダの研究では中年層と前期高齢層に活動の季節差があり、年齢によって現れ方が異なりました。
  • 季節と天候の総説では、悪天候や極端な天候が活動への参加を妨げる要因に挙げられています。
  • 米国の夏時間の切り替えでは、朝夕の歩数が逆向きに変わっても、日全体の総歩数には差が出ませんでした。
  • 英国の研究では軽い活動に季節差があり、中高強度の活動には差が検出されませんでした。
  • 屋内で運動する機会を設けることは総説の提案であり、特定の運動による冬の活動減少の予防効果を示した試験ではありません。

夏と冬の差は、活動の強さによっても変わる

「冬は体を動かさなくなる」という言葉には、買い物の歩行が減ることも、運動の予定を取りやめることも含まれます。Cepeda ら(2018)は、オランダの住民を対象とするコホート研究、つまり集団を追って調べる観察研究の参加者1,116人を扱いました。年齢は50〜64歳、65〜74歳、75歳以上に分けられています。中年層の冬の夜間睡眠は夏に比べて1日31.8分長く、活動と睡眠の双方に季節の動きがありました。

英国のO’Connell ら(2014)は、成人46人を季節ごとに7日ずつ、計4回測定しました。対象は女性72%、年齢は41.7 ± 14.4歳で、軽い活動は夏と春に多く、座って過ごす行動と床に就いている時間は冬に多い結果でした。一方、中高強度の活動、実際の総睡眠時間、食事には季節差が検出されませんでした。床にいる長さと眠っている長さをそれぞれ測ったことで、冬の過ごし方の細部が表れています。

たとえば、仕事帰りの運動は続けていても、休日の買い物を車で済ませるようになれば、生活の中の軽い活動が減る場面は考えられます。逆に、散歩は続けながら、夜に予定していた運動だけを取りやめる場合もあるでしょう。たとえば買い物袋を持って歩いた日と、車の荷台にまとめて載せた日では、外出の回数が同じでも体の動かし方が変わります。予定表にある運動と、駅や店まで歩く時間では、季節の変化が表れる場所が異なります。

季節による変化の問い 活動時間と歩数の変化 観察した地域・方法
夏と冬の活動 中年層では夏に軽い活動と中高強度の活動が多い Cepeda ら(2018)、オランダの集団を用いた観察研究
季節ごとの生活 軽い活動に差があり、中高強度の活動には差を検出せず O’Connell ら(2014)、英国の成人の反復測定
秋の時計の切り替え 朝の歩数は増え、夕方は減り、総歩数には純増減なし Jeong ら(2026)、米国の機器記録を用いた比較

日没と寒さが重なる季節をどう読むか

Tucker ら(2007)は、季節と天候に関する37研究、計291883人を含む総説をまとめました。総説は複数の研究を集めて結果を検討するもので、この論文は8か国の資料を扱っています。活動量は季節によって変わり、悪天候や極端な天候が参加の妨げになるという結果でした。暗くなる時刻だけに注目すると、同じ季節に重なる気温や雨の条件を見落とします。

Cepeda ら(2018)の分析でも、中年層と前期高齢層の季節の活動パターンは、気温と日照時間によって説明されていました。ここで扱われたのは季節に伴う関連で、日照時間だけを人為的に変えた試験ではありません。Shephard ら(2009)の総説も、先進社会では気温と降雨が主な影響要因だとしています。帰宅時の空が暗いという経験に、冷たい風や雨具の準備が重なる状況を考えると、屋外へ出る条件は複数あります。

日没との関係を自分の予定に照らすなら、その日の日没時刻と、運動のために家を出る時刻を並べてみます。実家の用事を済ませてから出る日と、着替えを持って職場から直接向かう日では、同じ運動先でも出発の条件が変わります。夕方に出るつもりが家事で遅れた場合は、実際に玄関を出た時刻を使います。日没の前後と出発の重なりを見る作業なら、雨で出かけなかった日を暗さのせいにする取り違えも点検できます。

この点検で使うのは、日没時刻、出発時刻、雨具を使ったかという具体の情報です。たとえば、空が暗くても雨が降っていない日に出発でき、明るさが残る雨の日に取りやめたなら、雨への備えも検討する項目になります。日没を境に運動できるかどうかを線引きする必要はありません。玄関で靴を履く前にためらった理由を、暗さ、寒さ、雨のどれに結びつけていたかまで振り返ります。

秋に夕方の歩数が減っても、日全体は変わらない例

Jeong ら(2026)は、米国の研究事業で集められた活動量計の継続記録を用い、夏時間の切り替えに伴う歩数の変化を調べました。夏時間は時計を季節に合わせて進める制度で、日本には導入されていません。比較には、夏時間を採用しないアリゾナ州と、隣接する山岳部時間帯の州を用いています。日照の長い夏と短い冬をそのまま比較する研究とは異なり、時計の切り替えに着目した設計です。

Jeong ら(2026)では、秋の切り替えで朝の歩数が202歩増え、夕方は180歩減りました。春には逆方向の変化があり、切り替えによる1日の総歩数の純増減はありませんでした。夕方だけを切り出すと減少が目立ちますが、同じ結果の中に朝の増加も含まれています。これは、夜に歩く機会が減ったという観察と、日全体で体を動かす量が減ったという評価が一致しない例です。

夕方の日光については、Goodman ら(2014)が9か国の15研究に含まれる5〜16歳の子ども23,188人を分析しています。夕方の日光が1時間長いことに伴う活動の差は、調整してまとめた値で0.03〜0.07標準偏差でした。標準偏差はデータのばらつきを表す尺度で、ここでは活動の差の大きさを共通の物差しで示すために使われています。著者らは、平均の増加は絶対量として小さいものの、集団の子ども全体に及ぶと結論づけています。

子どもの夕方には学校の終了後の遊びが入り、大人の夕方には退勤や家事の予定が入るため、生活の組み立ても異なります。子どもの結果を根拠に、成人の運動時間が同じ幅で増減すると置き換えることはできません。通う予定を考えるときには、夕方に運動着へ着替える時間を取れたか、朝は出勤準備で埋まっていたかという実際の予定が必要です。活動量計を使っているなら、夕方の表示とともに、朝から就寝までの表示も開いてみます。

東京のホットヨガなど、屋内で動く機会を考える

建物の中で体を動かす予定は、雨や寒さで屋外の予定を取りやめたときの候補になります。Tucker ら(2007)は、寒く雨の多い月に屋内の機会を提供することが、通年の定期的な身体活動を支える可能性を結論で述べています。これは総説に基づく提案であり、特定の種目や室温の効果を比較した結果ではありません。仕事帰りに通う場所を考える際には、その建物までたどり着く道も含めて予定を組みます。

屋内に行き先を変えても、駅を出てから住宅街の路地を通る区間は残ります。暗い道を歩くことに強い不安がある人には、夜の外出を増やす案が合わない場合があります。活動を増やそうと急いで足元を見落としたり、帰路が気がかりなまま無理に出かけたりしないよう、通い道を先に点検します。行きには見えた段差が帰りにも見えるか、建物の出口から駅までの足元を確かめる場面です。

帰りに使う道の暗い区間は、昼のうちに歩いて確かめます。住宅の塀が続く曲がり角、路面の段差、歩道が途切れる場所など、夜に見落としそうな物を実際の道で見ます。建物を出たあとに使える別の道があるなら、その入口と駅へ戻れる位置も確かめます。最初の帰路では、昼に見た曲がり角と段差を目印にし、足元を見ながら余裕をもって進みます。

持って行く物も、出発をためらった場面に合わせて選べます。仕事用の靴のまま向かうのが負担なら運動用の靴の持ち運びを考え、帰りの冷えが気になるなら上着をかばんに入れる場所を空けます。職場に置ける荷物と毎回運ぶ荷物がわかると、帰宅して準備し直す手間も見積もれます。屋内の場所を選んだ段階で完了とせず、玄関を出る準備から帰りに羽織る服までを通して確かめます。

立冬の前後で、実際に出かけた予定を照合する

立冬の前後にカレンダーを開き、その週に実際に運動へ出かけた回数を見比べます。職場で着替えを持ち帰った日や、家の玄関にかばんを置いたまま出なかった日があれば、予定だけ入っていた日と実行した日を照合します。仕事が延びた日、家族の用事が入った日、寒くて取りやめた日は、取りやめた理由も確認します。明るさが変わる時期の予定表には、季節以外の都合も一緒に載っています。

運動の回数に変化がなければ、普段の外出の中身も振り返ります。休日の買い物をまとめた、昼食を持参して建物から出なくなった、帰宅後の散歩をしなくなった、といった生活上の変更が候補になります。O’Connell ら(2014)で季節差が出たのは軽い活動で、中高強度の活動には差が検出されなかったためです。カレンダーに残る運動の予定に加え、買い物袋を持って歩いた道や昼休みに出た建物の外にも目を向けます。

出かけなかった日が続くなら、その曜日に何が重なっていたかを確認します。締め切りのある仕事と運動を同じ夕方に置いていた場合は、退勤後の用事が少ない曜日を候補にできます。家へ戻ってから荷物を取り直す予定だった場合は、運動着を持って職場を出られる曜日を探せます。予定を動かす場合には、仕事の締め切りと家の用事が入っている日を先にカレンダーで見ます。

次の予定を入れる際には、運動先に向かう前の仕事と、終わったあとの帰宅の用事をカレンダーで続けて読みます。洗濯した運動着が用意できるか、靴を持って出られるかまで照らすと、予定を実行するときの手順を確認できます。立冬の週の夕方、職場を出る時刻に空の明るさを確かめて、運動へ向かう曜日を1つカレンダーに入れます。

よくある質問

冬に太るのは、運動が減るせいですか

冬の体脂肪の増加を、運動の減少だけの結果と決めることはできません。Shephard ら(2009)の総説は、先進社会で冬に体脂肪が増えやすいことと、子どもから高齢者まで多くの集団で冬から春や夏に活動が増えることを述べています。ただし、夜の運動の中断が体脂肪の変化のどれだけを説明するかを示す数字は、この総説の結果には示されていません。

夕方の運動を朝に移せば、活動量は増えますか

朝に移すことで日全体の活動量が増えるとは、この比較からは答えられません。Jeong ら(2026)の夏時間の研究では、朝夕の歩数の配分が変わっても総歩数の純増減はありませんでした。本人が運動の時刻を選んで移す試験でもないため、朝の運動を足す際は、そのために省く移動や外出も予定表で照合すると、何が増減するかを点検できます。

高齢の親にも同じ季節差がありますか

年齢によって結果が異なり、高齢者全体を同じ傾向として扱うことはできません。Cepeda ら(2018)では、65〜74歳で夏の軽い活動が1日12.8分、中高強度の活動が8.6分多い一方、75歳以上では活動量の季節性が見られませんでした。この結果は年齢群で測った傾向なので、親の予定を見直す際には、買い物や散歩の頻度が冬に実際に変わっているかを本人と確かめます。

この記事の限界

適用範囲の中心は、日常生活の活動時間や歩数と季節との関係であり、仕事を終えて運動施設へ通う人の中断率を測った結果は含まれていません。英国の成人の測定は各季節の限られた期間を切り取る方法で、同じ季節の中で予定を取りやめたり再開したりする過程まで表すには、出発と参加の履歴が要ります。歩数、活動の強さ、睡眠を扱う資料はありますが、夜道への不安や通う場所の利用条件は、読者が生活の中で補う項目です。オランダや英国と日没や気温が異なる東京で夜の運動の増減を捉える作業は、現地の出発時刻と参加の履歴をたどることから始まります。

参考文献

  1. Cepeda M, et al. Seasonality of physical activity, sedentary behavior, and sleep in a middle-aged and elderly population: The Rotterdam study. Maturitas. 2018;110:41-50.
  2. Tucker P, Gilliland J. The effect of season and weather on physical activity: a systematic review. Public Health. 2007;121(12):909-922.
  3. Jeong H, et al. Impact of Daylight Saving Time on Physical Activity Patterns. Nat Health. 2026.
  4. Goodman A, et al. Daylight saving time as a potential public health intervention: an observational study of evening daylight and objectively-measured physical activity among 23,000 children from 9 countries. Int J Behav Nutr Phys Act. 2014;11:84.
  5. O’Connell SE, et al. Seasonal variation in physical activity, sedentary behaviour and sleep in a sample of UK adults. Ann Hum Biol. 2014;41(1):1-8.
  6. Shephard RJ, Aoyagi Y. Seasonal variations in physical activity and implications for human health. Eur J Appl Physiol. 2009;107(3):251-271.

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  • 向く人: 授業や練習のあと、駅までの帰り道をできるだけ短くしたい人
  • 向く人: 通勤や通学の途中の駅で、乗り換えを増やさずに通いたい人
  • 向かない人: 駅から離れた場所へ、車の送り迎えで通うことを前提にしたい人
  • 向かない人: 移動をせず、自宅だけで学びや運動を済ませたい人

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冬に太るのは、運動が減るせいですか

冬の体脂肪の増加を、運動の減少だけの結果と決めることはできません。Shephard ら(2009)の総説は、先進社会で冬に体脂肪が増えやすいことと、子どもから高齢者まで多くの集団で冬から春や夏に活動が増えることを述べています。ただし、夜の運動の中断が体脂肪の変化のどれだけを説明するかを示す数字は、この総説の結果には示されていません。

夕方の運動を朝に移せば、活動量は増えますか

朝に移すことで日全体の活動量が増えるとは、この比較からは答えられません。Jeong ら(2026)の夏時間の研究では、朝夕の歩数の配分が変わっても総歩数の純増減はありませんでした。本人が運動の時刻を選んで移す試験でもないため、朝の運動を足す際は、そのために省く移動や外出も予定表で照合すると、何が増減するかを点検できます。

高齢の親にも同じ季節差がありますか

年齢によって結果が異なり、高齢者全体を同じ傾向として扱うことはできません。Cepeda ら(2018)では、65〜74歳で夏の軽い活動が1日12.8分、中高強度の活動が8.6分多い一方、75歳以上では活動量の季節性が見られませんでした。この結果は年齢群で測った傾向なので、親の予定を見直す際には、買い物や散歩の頻度が冬に実際に変わっているかを本人と確かめます。