武蔵境・立川 10km圏 駅別アクセスガイド111駅を、直線距離と乗り換えの構造で整理する

公開:2026年9月11日/最終更新:2026年9月11日

立川駅で階段を選ぶ人は掲示で増えるか|階段の利用を促す表示の研究

1.49倍という階段利用の増加が、シンガポールの駅で報告されています。Sloan ら(2013)が調べたのは、階段の段差に横長の表示を付け、人の選び方を変える取り組みです。運動の時間を新たに設けるのでなく、通り道で目に入る言葉が、いつもの移動を変えたという結果でした。ただし、この数字を読むときには、表示がある間と、その後を区別する必要があります。

  • 選択する場所に置く掲示は、階段利用を増やすという研究の蓄積があります。
  • エスカレーターと並ぶ階段と、エレベーターのそばの階段では、掲示への反応が異なります。
  • 段差に付ける表示が効かなかった駅でも、ポスターを追加すると利用が増えた例があります。
  • 利用者の割合、同じ人の習慣、体重の変化は、それぞれ別の評価項目です。

立川駅で階段を選ぶ人は掲示で増えるか|階段の利用を促す表示の研究

1.49倍という階段利用の増加が、シンガポールの駅で報告されています。Sloan ら(2013)が調べたのは、階段の段差に横長の表示を付け、人の選び方を変える取り組みです。運動の時間を新たに設けるのでなく、通り道で目に入る言葉が、いつもの移動を変えたという結果でした。ただし、この数字を読むときには、表示がある間と、その後を区別する必要があります。

仕事帰りに立川駅北口へ向かうとき、帰宅を急ぐ気持ちと、少し体を動かしたい気持ちが重なることがあります。そこで「階段を使おう」という掲示を見れば、エスカレーターへ向かっていた足は階段へ変わるのでしょうか。研究では、階段とエスカレーターを選ぶ場所の掲示は利用を一時的に増やしますが、効き目は表示の見え方や混雑に左右され、習慣として残りにくいという結果です。立川での判断に役立つのは、掲示の言葉だけでなく、その言葉が視界に入る位置や、通過する場面を読むことです。まず研究が数えた行動をたどり、次に、帰り道で自分が選べる条件を考えます。

要点

  • 選択する場所に置く掲示は、階段利用を増やすという研究の蓄積があります。
  • エスカレーターと並ぶ階段と、エレベーターのそばの階段では、掲示への反応が異なります。
  • 段差に付ける表示が効かなかった駅でも、ポスターを追加すると利用が増えた例があります。
  • 利用者の割合、同じ人の習慣、体重の変化は、それぞれ別の評価項目です。

選ぶ場所の掲示は、どの行動を変えるのか

「階段を使うほうがよい」と知っていることと、目の前で階段を選ぶことには距離があります。選択の直前に置く掲示は、その瞬間に階段の存在や使う理由を思い出させる働きを狙います。研究で使われたのは、公共交通の駅や商業施設、オフィスのポスターや、段差の正面に付ける帯状の表示です。移動先を変えずに、その途中の進み方を選ぶ場面が対象になっています。

Soler ら(2010)は、一定の質の基準を満たす16研究を集めた系統的レビューを行いました。これは、条件を決めて研究を集め、結果をまとめる方法です。検討には、選ぶ場所の掲示と、壁を塗るなど階段周辺の環境を整えることを掲示と組み合わせた取り組みが含まれています。そのうち選ぶ場所の掲示について、階段利用を増やす強い証拠があると評価されました。

Nocon ら(2010)の25研究のまとめでは、エスカレーターのある場所で得られた32の結果のうち28で、階段を上る利用が有意に増えていました。有意とは、偶然のばらつきだけでは説明しにくい差と統計的に判断されたことです。一方、エレベーターのある場所では、10の結果のうち増加を示したのは3でした。この件数は、利用者の何割が階段へ移ったかではなく、増加を検出した研究結果の数です。

この違いを踏まえると、駅の掲示を考える際には、何と階段を選び合っているかが出発点になります。同じ「階段を使おう」という言葉でも、目の前で別の経路と並んでいる状況と、別の場所まで階段を探す状況は異なります。研究を読んで自分の通勤へ結びつけるときも、掲示の文章に加えて、選択肢の配置に目を向けると話がつながります。

シンガポールの駅では、表示のある期間に増えた

Sloan ら(2013)は、シンガポールの駅で、段差の表示を付ける前、付けていた4週間、外した後の2週間に階段利用を数えました。表示を付けない比較用の場所でも測定しています。人に運動を申し込ませる形ではなく、駅を通る人の行動を現場で調べる研究です。掲示の導入前後を追うことで、普段の流れに手を加えたときの変化を見ています。

Sloan ら(2013)が示した階段利用の増加は1.49倍で、95%信頼区間は1.34〜1.64でした。信頼区間は、観測したデータから推定する値の不確かさを幅で示したものです。比べているのは表示による利用の変化であり、上った人が体重を減らす確率ではありません。表示を外した後には、実験を行った駅の階段利用は、始める前の水準を少し下回りました。

ここで関心を引くのは、人が階段を選ぶための働きかけが、通過する場所に置かれていたことです。自宅で運動の大切さを読んで覚えておく場合と違い、わかれ目で言葉に出会います。帰宅の段取りを考えている最中でも、その場で選択肢を思い出す機会になります。通路に置かれる表示の役割は、こうした日常の短い判断に関わるものとして捉えられます。

また、比較用の場所を設ける意味は、駅を利用する人全体の変化を考えることにあります。掲示の前後だけを数える場合、通過する人数が変われば、階段利用者の人数も動きます。表示を付けない場所も観察する設計は、同じ時期の変動を照らし合わせるための工夫です。駅の取り組みを評価するなら、増えた人数だけを抜き出すより、どこを比較の基準にしたかまで読むほうが内容を捉えやすくなります。

段差の表示が人波に隠れると、結果も変わる

Olander ら(2008)は、39段の階段とエスカレーターが隣接する駅で表示を試しました。最初の3.5週間の観察に続き、段差の表示を10.5週間設け、その期間に3週間のポスター掲示を加えています。性別や歩行者の通過量の影響を考慮しても、階段利用は開始前の40.6%と段差の表示期間の40.9%で、有意な変化がありませんでした。ポスターを追加したときには44.3%へ増えています。

Olander ら(2008)は、歩行者が多くなるほどポスターの効果も小さくなったと報告しています。著者らは、列車から降りた人がまとまって出口へ向かう流れでは、多くの通勤者から段差の表示が見えにくくなったと考察しました。ここには、文章の内容が同じでも、人が間に入れば届き方が変わるという問題があります。階段の正面に表示があることと、歩いてくる人の目に表示が入ることは、別々に考える必要があります。

立川駅へこの話を引き寄せるなら、特定の掲示があると想定するより、自分がどこへ視線を向けているかを思い浮かべるほうが自然です。空いている通路では前方の壁まで見渡せても、人が続いていれば前の人の動きや足元へ注意が向きます。表示の設置面だけを眺めても、実際に近づくときの見え方は捉えきれません。研究の違いを整理すると、注目すべき場所も変わります。

よく言われること 研究で示されたこと 対象・研究の型
階段を勧める表示なら、どこでも同じように効く エスカレーターのある場所で増加の報告が多い 駅・商業施設・オフィスなどの研究のまとめ、Nocon ら(2010)
段差へ表示すると目立つ 段差の表示だけでは利用が変わらず、ポスター追加で増えた 階段とエスカレーターが隣接する駅の現場研究、Olander ら(2008)
表示が役立てば、その後も行動が残る 表示を外した後、利用は開始前の水準を少し下回った シンガポールの駅で比較用の場所も測定、Sloan ら(2013)

その場の反応と、本人の習慣をどう見分けるか

通り道の表示が働いたとして、そこから毎日の習慣まで変わるのでしょうか。この疑問には、同じ人の行動を追う研究が役立ちます。駅全体で階段利用が増えた場合と、ある人が繰り返し階段を選ぶようになった場合では、見ている変化が違うためです。習慣という言葉を使うなら、表示の直後だけでなく、時間がたったときの行動にも注目します。

Allais ら(2017)は、フランス・パリの地下鉄3駅で、階段を勧める表示の現場実験を行い、205人を追跡しました。利用への効果はすぐに表れましたが、山をつくった後に薄れています。また、少ない身体的な労力を強調した表示で、効果がより強く表れました。著者らは、取り組みによって個人の階段利用の習慣は変わらず、最もよい場合でも効果が続いたのは終了後2週間だったと報告しています。

この実験は、掲示の伝える内容にも着目しています。階段の利用を遠い将来の利益と結びつける読み方だけでなく、今ここで上る負担をどう感じるかという読み方もあります。通勤の途中なら、階段を見上げて感じる手間は、その場の選択に近い話題です。文章の説得力を比べるとき、読んで賛成するかと、足が向くかを同じ評価にしないことが大切になります。

習慣の変化を考える際には、選択が起きた順序を丁寧にたどれます。先に階段へ向かっていて途中で表示に気づいたのか、表示を読んでから進路を変えたのかでは、表示の役割が違います。さらに、通過するたびに新しく判断しているのか、考える前に足が向いているのかという違いもあります。こうした経過への関心は、掲示を見たという事実だけで行動の理由を説明してしまうのを避ける助けになります。

「階段ダイエットは1日何段」と考える前に

Dolan ら(2006)は、公共の場所で階段とエスカレーターの利用を比べた8研究をまとめています。階段利用者の割合の変化は平均2.8ポイント、標準偏差は2.4ポイントでした。標準偏差は、研究ごとの変化が平均の周りでどの程度ばらつくかを表します。ここでいうポイントは割合の差を示す単位で、利用が何倍になったかを示す数字とは読み方が異なります。

Dolan ら(2006)は、利用の増加をもとに都市での取り組みを想定し、体重の減少や増加予防の大きさも推計しました。その見積もりはわずかなものであり、掲示を見て上った人たちの体重を実際に測った結果ではありません。このため、「階段ダイエット」という目的に対して、今回の研究群は1日に何段上ればよいかという目安を示していません。利用を促す仕組みの評価と、体重を変える運動量の設定との間には、測る項目の違いがあります。

読者が自分の体に目を向けるなら、同じ階段を上った際の息の上がり方を、季節を変えて比べる方法があります。これは減量の成否を採点するためではなく、その日の移動をどの程度の負担に感じたかを言葉にするためです。「上り始めから重く感じた」「最後に息が弾んだ」など、感じた位置や様子を思い返します。上り切ったという結果だけでなく、途中の感覚にも注意を向けられます。

膝や腰の痛みがある人、息切れの強い人は、階段を増やそうと無理をしないことが大切です。段差での移動には、足を持ち上げて体を支え、周囲と間隔を取りながら進む動きが伴います。痛みをこらえて上ることを、掲示へのよい反応として評価する必要はありません。使う経路は、その日に体を動かす目的だけでなく、支障なく移動を終える目的にも合わせて選びます。

帰りのホームで、わかれ目への近づき方を見る

仕事を終えて電車を降りたら、いつもの進路をたどりながら、階段とエスカレーターが並ぶ場所を一度見ておきます。見るのは、階段の入口だけでなく、両方が視界に入り始める位置です。わかれ目へ着いた時点で選んでいるつもりでも、その前から片方の列に沿って歩いていることがあります。自分にとって選択が始まる場所を探すと、掲示が働くという研究の場面を身近に捉えられます。

次に、階段を選んだ日と選ばなかった日の決め手を、それぞれ思い出します。混み具合に引かれたのか、荷物の扱いやすさを優先したのか、時刻が気になっていたのかを短い言葉にします。「今日は意志が弱かった」と片づけるより、その場の選択に関わった事情を挙げるほうが、異なる日の動きを説明しやすくなります。掲示がなくても階段へ向かった日があれば、そのとき何が違っていたかにも目を向けます。

行きと帰りで使う入口が違う場合には、思い浮かべる光景も帰りの側にそろえます。正面から階段が見える通路と、角を曲がってから入口が現れる通路では、自分が進路を考える位置も異なります。駅をよく知っているつもりでも、使わない側の入口を意識する機会は少ないものです。通る場所を絞って眺めれば、駅全体の大きな話ではなく、毎日自分が歩いている短い区間の話として扱えます。

次の帰りには、乗っていた号車から降りた位置が、わかれ目のどちら側の流れにつながっているかを一度だけ見ます。列車を降りてから入口へ近づくまでに、体の向きが自然に決まっていないかを観察します。足の進路に先回りしているものは、階段を勧める言葉だけとは限りません。乗車位置は、掲示を読むより前から選び方に関わりうる、通勤経路の一部です。

よくある質問

下りの階段も、上りと同じように数えてよいですか

下った回数を自分の移動として数えることと、上りと同じ運動量とみなすことは別です。Nocon ら(2010)が増加を評価したのは、階段を上る利用でした。日常の行動を振り返るなら「上った」「下った」と方向を付けると、何をしたかが明瞭になります。上りを促す表示の成績を読むときにも、自分が思い浮かべている移動の向きと研究で測った動きをそろえて読むのが適切です。

荷物の多い仕事帰りは、どう選べばよいですか

手提げが脚に当たる、持ち直すために足を止めたくなる、といった荷物の扱いから経路を考えます。Olander ら(2008)が扱ったのは、人の通過量や表示の見え方に関わる場面でした。荷物の多い日の判断では、手すりに手を添えられるか、荷物を振らずに進めるかという自分の状態を優先します。移動の途中で持ち直す必要があるなら、通行を妨げない場所で落ち着いて整えます。

雨の日に階段が濡れていたら、表示に従うべきですか

足を置く面が濡れている日は、階段を勧める言葉より、足元の状態と施設の案内を優先します。Soler ら(2010)のまとめで評価されたのは利用を増やす掲示であり、濡れた階段の安全性とは評価する項目が違います。水が残る場所を避けようとして急に進路を変えるより、入口へ進む前に通れる経路を見渡します。施設の通行方法については、現地の表示や各社の最新の案内に沿って移動します。

この記事の限界

測定の中心は、表示の前後で駅や商業施設の階段を通る人数や割合がどう変わったかで、個人の活動全体を継続的に測る設計とは異なります。取り上げた研究には立川駅を直接調べたものがなく、経路の配置、列車を降りた人の流れ、表示を見る位置まで一致するという前提では結果を移せません。

その場を通る集団の変化と個人の継続を区別する試みとして、Allais ら(2017)は同じ人を追いましたが、実験の期間は8週でした。駅や商業施設での利用人数の集計が中心で、同じ人が何か月も階段を使い続けた経過を追う研究の乏しさが、長期の習慣を論じる際の制約です。

参考文献

  1. Soler RE, et al. Point-of-decision prompts to increase stair use. A systematic review update. Am J Prev Med. 2010;38(2 Suppl):S292-300.
  2. Nocon M, et al. Review Article: Increasing physical activity with point-of-choice prompts–a systematic review. Scand J Public Health. 2010;38(6):633-638.
  3. Sloan RA, et al. The use of point-of-decision prompts to increase stair climbing in Singapore. Int J Environ Res Public Health. 2013;10(1):210-218.
  4. Allais O, et al. Getting more people on the stairs: The impact of point-of-decision prompts. Soc Sci Med. 2017;192:18-27.
  5. Olander EK, et al. Promoting stair climbing: stair-riser banners are better than posters… sometimes. Prev Med. 2008;46(4):308-310.
  6. Dolan MS, et al. ‘Take the stairs instead of the escalator’: effect of environmental prompts on community stair use and implications for a national ‘Small Steps’ campaign. Obes Rev. 2006;7(1):25-32.

改札を出てから扉に着くまでの数分が、続くかどうかを決める。

  • 向く人: 授業や練習のあと、駅までの帰り道をできるだけ短くしたい人
  • 向く人: 通勤や通学の途中の駅で、乗り換えを増やさずに通いたい人
  • 向かない人: 駅から離れた場所へ、車の送り迎えで通うことを前提にしたい人
  • 向かない人: 移動をせず、自宅だけで学びや運動を済ませたい人

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下りの階段も、上りと同じように数えてよいですか

下った回数を自分の移動として数えることと、上りと同じ運動量とみなすことは別です。Nocon ら(2010)が増加を評価したのは、階段を上る利用でした。日常の行動を振り返るなら「上った」「下った」と方向を付けると、何をしたかが明瞭になります。上りを促す表示の成績を読むときにも、自分が思い浮かべている移動の向きと研究で測った動きをそろえて読むのが適切です。

荷物の多い仕事帰りは、どう選べばよいですか

手提げが脚に当たる、持ち直すために足を止めたくなる、といった荷物の扱いから経路を考えます。Olander ら(2008)が扱ったのは、人の通過量や表示の見え方に関わる場面でした。荷物の多い日の判断では、手すりに手を添えられるか、荷物を振らずに進めるかという自分の状態を優先します。移動の途中で持ち直す必要があるなら、通行を妨げない場所で落ち着いて整えます。

雨の日に階段が濡れていたら、表示に従うべきですか

足を置く面が濡れている日は、階段を勧める言葉より、足元の状態と施設の案内を優先します。Soler ら(2010)のまとめで評価されたのは利用を増やす掲示であり、濡れた階段の安全性とは評価する項目が違います。水が残る場所を避けようとして急に進路を変えるより、入口へ進む前に通れる経路を見渡します。施設の通行方法については、現地の表示や各社の最新の案内に沿って移動します。